風景写真論 (4)
いままで、前段として一般論を考えてみた。さて、これから、「風景写真」の話に入ってゆこうと思うが、その裏には、「私はどのような写真を撮ってゆくべきか」という自分に対する問いかけがある。
レンズを買うと、アンケートが付いて来て、そこに写真歴を選ぶ欄がある。そこで私は、悩んでしまう。一眼レフは、今から30年前に、オリンパスOM−2を買って以来使って来た。ズームレンズというものがまだ一般的でなく、50ミリの標準と135ミリの望遠と24ミリの広角レンズを同時に購入した。広角レンズをその当時一般的だった28ミリでなく24ミリを選んだのは、風景写真を意識していたからだった。
山登りをして、「山岳写真」を撮りたいと思ったことがある。現在、何度かの転居で蔵書のほとんどが失われたというのに、白籏史朗「山岳写真テクニック」(山と渓谷社 昭和52年刊)なんていう本が生き残っている。日本山岳写真集団の写真集もあったけど、それは他の蔵書とともに失われてしまった。要するに若い頃、山の写真に感動して、自分もいつか撮りたいものだと思っていたわけだ。でも、結局、山登りをすることをあきらめて、そのままその感情をしまいこんでしまった。生活がそれを許さなかった。
写真は、といえば、結婚前にはそれなりに撮ったりしたが、それもたいしたことはなかった。フィルム代、現像代などを考えると写真は、お金がかかる趣味だった。一度、リバーサルフィルムで、志賀高原の秋を写したことがある。素晴らしい青空をバックに撮ったフィルムは美しかったが、プリントアウトすることはなかった。
つまり、一眼レフのデジカメを手にするまでは、特別風景写真を意識したこともなかった。去年は、お寺ばかり撮っていたが、その中で、デジカメのすばらしさに気づいたのである。
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