2006/9/22 金曜日

風景写真論 (2)

Filed under: 今日の一枚 — kurasan @ 21:59:31

今日は飲み会から帰ってきてすぐパソコンを開いて書いているのでろれつが回らない箇所があってもあしからず

さて、宮嶋康彦(以後敬称略)は、現在の風景写真家の第一人者と目されている竹内敏信の言葉を引きながら次のように書く

「風景写真家の竹内敏信氏は『写真人口を嵩上げしたのは会社をリタイアした高齢者で、いまさらというわけでないけれど、みんな自然の写真を撮りながら自分探しをしているところがある』と話した。興味深いことは、『自分探し』の彼らの写真志向が自然界に向かう、ということだ。女性写真や生物、街のスナップを撮る人がいないわけではないが、ファインダーの向こうに求められる風景は、おおかた日本固有の情緒、あるいは叙情である。花鳥風月の世界に傾くのはなぜだろう。なぜ、人生に悟りを開く年齢になってから、山河と対峙する道を選択するのだろう。」

この問題提起は、私にとって、風景写真論を超えて、日本人論に迫る問題提起と受け止められた。写真にかぎらず、山岳書籍コーナーに行くと、「中高年の山歩き入門」というタイトルの本がいかに多いことか。同じ土壌で論じていい問題なのだと思われる。

 この文章は、この本の冒頭に書かれているのだが、ここまで読んで、私はすぐに巻末に書かれている著者のプロフィールを見に行った。この著者の年齢が知りたかった、1951年生まれ。私と、ひとつしか、違わない。とすると、中高年とは、別の世代でなく自分の世代なのだと言うしかないのだが、ちょっと著者は、自分はもう少し若いのだという少し離れた視点で物を言っているのが気にかかる。わたしは、自分の問題として、この文章を受け取った。

ミゾソバ 長野市戸隠スキー場付近

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