2008/1/22 火曜日

落語あるいは落語家論 その参

Filed under: 今日の一枚 — kurasan @ 22:08:44

 談志の遺言大全集を読むと落語に関する絶望が見て取れるが、私はそれほど絶望していないのである。それは、現状のCDで落語を楽しんでも結構楽しめるというところにあるようだ。最近の若い落語ファンはどうかわからないが、私くらいの年齢になると、自分の世界で満足できるのである。それは、最近の歌謡はほとんど聞かないのに、70年代のフォークばかり聞いているのに似ている。

 しかし、それでは、今の落語家は必要なくなり、ひいては、落語という芸能も衰退してしまうだろう。では、新しい落語の世界はないのだろうか。

 談志は、メディアとしてのテレビにこだわっている。しかし、テレビというメディアは確かにすごいものだが、そうとも言い切れない時代になっているのではないか。NHKの紅白歌合戦が視聴率が30%台になっているわけだが、十分な数字だと思う。50%なんていう数字こそ気持ち悪い。大衆の好みは、細分化してきているのであり、アキバ系とかオタクと呼ばれるように関心を示す分野も細かくなっている。私にしても、定期的に視聴している番組といえば、朝、時計代わりにつけている「朝スバ」と教育テレビの「将棋の時間」くらいでテレビがなくてもそれほど困らないだろう。

 スカパーなどを見ても、趣味が多様化して来ているのを見て取れる。コマーシャルがある無料放送を見るより、お金を払ってもいいから、自分の好きなものばかりをじっくり見たいという人が増えているのではないだろうか。テレビというメディアが廃れることはないだろうが、それがすべてかというとそうではない時代になってきている。

 今日の一枚は、大峰高原の大カエデのところからの眺め。顔を出しているのは、蓮華岳だろうか。確かめもしなかったけど。

木々の向こうに

 

 

コメント (0) »

この記事にはまだコメントがついていません。

コメント RSS トラックバック URI

コメントをどうぞ

HTML convert time: 0.264 sec. Powered by WordPress ME