2006/11/1 水曜日

風景写真論 (13)

Filed under: 今日の一枚 — kurasan @ 20:49:13

 私の本箱に「風景写真」という雑誌のバックナンバーが、十数冊あります。ブックオフの川中島店で、200円の値札の上に100円の値札が貼ってあって、これならというので買って来ました。見ていると、読者の投稿があって、プロの写真よりすごいのではと感じる写真があります。

 カメラマンのプロとアマの差というのは、どこにあるのでしょう。私は、プロの将棋指しが好きで、テレビ将棋などビデオに撮って見たりします。難しくて、ほとんどわからないのですが、将棋指しの個性がおもしろい。最近は、パソコンの普及で、奇想天外の差し手が出なくなって来た感じがしますが、それでも個性を感じます。瀬川さんが、アマからプロと何局か対戦して、プロになったのは、昨年の話題でしたが、プロと対戦しても十分な勝率でした。そう考えるとプロとアマの差がない感じもしますが、一局、二局では判断できません。

 カメラマンの世界も何枚かの写真の比較では、プロとアマの見分けがつかないのだろうと思います。しかし、その人が写した業績を集めたとき、プロとの差というのが見えてくるのかもしれません。

先週、土門拳の写真集から、風景の巻を借りてきて見てみました。この著名なカメラマンの風景写真は、本人も仕事の合間などに撮ったと書いているように、風景写真家のものではないのかもしれません。その写真を、カメラ雑誌にアマが投稿すれば、合格点をもらえるのかなと思うものもあります。しかし、私がはじめて土門拳の風景写真を見たとき、すごく感動したのを覚えています。特に、アマガエルの写真が記憶に残っていて、今度写真集を借りてきて、それがタケノコにとまったアマガエルの写真だったと確認したところです。土門拳の写真は、どこにでもある、当たり前の風景を切り取っています。後から、それを見て真似して撮ることはできるでしょう。私が感動したのは、そういう何気ない風景を切り取った土門拳の目です。土門拳が土門拳なのは、その美を見抜く目なのだと、それがプロなのだと感じました。

紅葉4 長野市荒倉山キャンプ場 2006/10/28

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