巡礼桜
この時期は、どうしても桜を追いかけることになるが、桜の名所というとお花見でにぎわうところがまずあげられる。こういうところは、夜桜などにも力を入れているところが多いが、風景写真を撮りに行って、あまり満足なものを撮れないで、花のアップばかり撮ってきたりする。
次に、一本桜の有名なものということになる。芋井の神代桜とか高山村のしだれ桜など名が通っていて、桜そのものに固有名詞が冠してある。こういう有名な桜は訪れる人も多く、特にカメラマンがいつもいたりする。一本の木を取り巻いて撮影するわけでなかなか思うように撮れないし、神代桜など古木は維持のため支えがしてあったり、フェンスなどの人工のものが写り込んでしまい、何か味が悪い。でも、有名だから、撮りに行くのだけれど。
この桜は、長野市塩生(しょうふ)の巡礼桜というエドヒガンの古木である。小田切から戸隠に向かう道沿いにあり、「巡礼」の名が付いたのだそうだ。
堂々とした風格で、カメラを向けたが、根元に桜の説明の板が立っている。人間の目というのは、どうしてもそういうものに関心が行ってしまい説明写真になってしまう。桜の美しさを写すのならそういうものをカットしたほうがいいだろうと、桜の下に入って撮ったのが下の写真。
これだと桜全体が入っていないし、根元が入らないだけ風格が感じられなくなる。さて、どう表現するべきものか一本桜を前にしていつも考えるのだが、よくわからない。
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