WhiteBOX構築編/(4)サーバの再構築
WhiteBOXサーバの再構築 †
このたびハード的な不調で、別マシーンにクラリNETサーバを再構築しました。 また、起きるかもしれませんので、その記録かたがた、次回に備えたいと思います。 技術的には、NFS の設定、利用方法が主要なポイントです。
新しいマシーン †
2年ほど前の自作マシーンです。通販で買ったものが不調で、切り分けやら何やらでマザーボードを買ったりしました。部品を買い足して、メモリーを分けて、1台作りましたが、それが使い道もなく遊んでいました。
主なスペックは、現用のマシンの倍以上の性能ではあります。
CPU: Celeron 2GHz Memory: 256MB HDD: 60GB
遊びで Vine Linuxを入れたりしてましたが、改めてWhiteBOXをインストールし直してデータを移行しました。
WhiteBOXのインストール †
ここは、前回書いたとおりです。CD3枚を順次インストールします。(参照⇒WhiteBOX構築編/(3)WhiteBOXのインストール)所要時間は 約30分。
同じLAN上のサーバ間でデータを移行するので、ホスト名とIPアドレスは違えておく必要があります。
旧サーバ(ホスト名 kurari) :192.168.1.245 新サーバ(ホスト名 kurarin) :192.168.1.240
アップデート †
yum update コマンドで、システムのアップデートをします。全部で 648項目もあり、小1時間かかりました。(参照⇒WhiteBOX設定編/(1)更新)
ファイルのコピー方法 NFS †
旧サーバ(kurari)から新サーバ(kurarin)へ主要ファイルをコピーします。同じディストリビューションのLinuxですから、コンテンツと設定ファイルだけ移せば、動作は同じです。
Linux間でのコピー方法ですが、NFS(Network File System)を使います。これは、Linuxがネットワークを介してディレクトリを共有するサービスです。Windowsのファイル共有みたいなものですね。
移行に必要なファイル類は、以下のディレクトリーに集中しています
ホームページのコンテンツ /var/www/html 掲示板のcgiやデータ /var/www/cgi-bin
その他、アクセス制限のためのパスワードファイルやWWWサーバ(Apache)の設定ファイルがあります。どこにおいてあるかの違いだけです。
- 共有元(旧サーバ:kurari)側の設定
・NFSサービス自体は、標準でインストールされています。これを起動します。# /etc/init.d/nfs start
・設定ファイルは、 /etc/exports です。新規に作成編集してあげます。# vi /etc/exports
記述内容は、この1行だけです。/var/www 192.168.1.240(rw)
「共有するディレクトリ」と「共有先ホスト(パーミッション)」を指定します。 これで、旧サーバ(kurari)の ディレクトリー /var/www 配下を、新サーバ(kurarin)に対し、読み書きを許可することになります。
・exportsファイルを反映させるために、NFSを再起動します# /etc/init.d/nfs restart
- 共有先(新サーバ:kurarin)側の設定
・コピー先のサーバでは、旧サーバのディレクトリーをマウントします。マウントというのはLinux特有の概念ですが、周辺機器(FDやCDドライブ)を扱えるようにするコマンドです。NFSでは、他のホストをネットを介して、周辺機器(増設ドライブ)のように扱うわけです。
・マウントするディレクトリーを作成します。# mkdir /mnt/kurari
・実際にマウントします# mount 192.168.1.245:/var/www /mnt/kurari
・マウント元である旧サーバ「ホスト(IPアドレス):ディレクトリ」を指定して、新サーバのディレクトリにリンクします。 これで、新サーバから旧サーバのファイルにアクセス可能となります。# ls -l /mnt/kurari
旧サーバの /var/www 配下のディレクトリがずらずらと表示され、旧サーバにアクセスできていることが確認できます。 - ファイルのコピー
・主要ファイルをディレクトリーごとコピーします。# cp -arp /mnt/kurari/html /var/www (htmlファイル) # cp -arp /mnt/kurari/cgi-bin /var/www (cgi関係ファイル) # cp -arp /mnt/kurari/*.* /var/www (パスワードファイルなど)
・cp(コピー)コマンドのオプションは-a:属性やディレクトリ構造をできるだけ保持 -r:サブディレクトリも含めて再帰的に -p:ファイルのオーナやパーミッション等を保持
・コンテンツ以外に、Apacheの設定ファイルをコピーする必要があります。&上br; Apacheの設定ファイルは、NFSで共有しているWWWコンテンツとは別ディレクトリーにあります。/etc/httpd/conf/httpd.conf
したがって、直接マウントはできません。NFSの設定を追加するなり、旧サーバ側で/var/www/配下にいったんコピーしてから、コピーしてあげる必要があります。
これで、実質的に終りです! 最後にApacheを再起動します。
/etc/rc.d/init.d/httpd restart
掲示板、wikiは問題なく動きました。
ルータの設定変更 †
・公開するサーバのLAN側アドレスが変更したので、ルータの設定を変えないと、新サーバへ外部からのアクセスはできません。
・ルータにより「アドレス変換」「NAPT」「静的IPマスカレード」等、種々の呼び名がありますが、主な設定項目は同じです。
[WAN側ポート番号]-[LAN側IPアドレス]-[LAN側ポート番号](-[サービス名])
(2005/8/10記)