Linuxサーバ操作管理編/(6)メールサーバをGoogleに のバックアップ(No.2)



  • 自宅サーバで動かしていたメールサーバ(Postfix+SquirrelMail)を止めて、外部(Google)にホスティングすることにした。
  • 実施したのは 2007年9月頃のことだが、遅まきながら記録しておく。内容的には、登録の記録だが、少しややこしかったのである。  [2008/11/04記]

移行の背景

  • WhiteBOXで独自ドメインのメールサーバを構築したときは、恐ろしく苦労したものだ。今、記録(WhiteBOX設定編/(11)Webmail-1)を読み直しても、血が騒ぐ、いや冷や汗が出る(^^;)
  • そんなにたいへんな苦労したメールサーバなのに、実はあまり使い道がなかった。個人的には使わないし、むしろ、スパムメールが押し寄せてきてウザイという弊害の方が大きかった。管理ツールもインストールしたのだが、スパムの削除ツールになってしまった。
  • そんな頃、「日経network」2007年4月号に『独自ドメイン名でGmailを使う』という記事が掲載された。
  • 実は、Googleは2006年頃から個人向けの「G-mail」サービスを始めていた。メールボックスの容量2GBということで、当時としては破格の容量で注目を浴び、しかも、当初は紹介制だったので、なかなかアカウントが取得できず希少性での人気も高かった。(今は、勝手に登録可能だし、他の無料メールサービスでも容量数GBはふつうだが、)
  • それと並行して、SOHO向けの「Googleアプリ・独自ドメイン向け」というなグループウェアサービスを提供しはじめていた。独自ドメインを使って、業務支援をしようという仕掛けである。当然「メール」サービスもあり、独自ドメインでWebmailを運用できるようにするものである。アカウントの作成、変更は自由で、要するに「メールのホスティングサービス」というわけだ。利用ユーザから見れば、メールアドレスが、独自ドメインである以外は Gmailそのものである。
  • そんなわけで、これを利用してメールサーバを自宅からGoogleに預け(追い出し)てしまうことにしたのだ。

設定のポイント

  • 「日経network」の記事を参照したが、Google側の登録画面遷移がかなり変更しており、まずは面食らった。
  • 結論から言えば、作業は3段階。ポイントは、以下の②と③である。
    ①管理者の登録
    ②メールの配信設定
     自分のドメインのDNSサーバに、Googleの配送先サーバを登録する
    ③ドメインの所有者であることの証明
     CNAME と ホームページHTMLをアップロードの2つの方法があるが、後者の方が簡単そう

設定の手順

  1. まずは、Googleにサービス申込を行う。(なお、画面イメージはすべて登録当時のものである。) 申請用HPは http://www.google.com/a/  
    申込み
    • 「コラボレーションの未来形 - コストも手間も省いた新しいホスティング型アプリケーション サービス」などと大それたタイトルの画面だが、右上の「機能比較お申込」をクリックする 
  2. 続いて、Googleアプリのメニューを選択する。
    サービスメニュー
    • 「Standard Edition」が無料だから、当然これを選ぶ。
  3. 次はドメイン登録画面 
    ドメイン登録
    • 既に独自ドメインを取得しているので、「自分のドメインを使用する」を選択する 
  4. いよいよ申込画面 
    利用者登録
    • 申込者の情報を入力する。(必須項目のみでよい!) 
  5. 管理者アカウントの設定画面 
    管理者PW登録
    • ここで、まずは管理者アカウントを登録する。ユーザアカウントの方は、ドメイン登録等がが完了した後にできるようになる。 
  6. 管理者画面に遷移する 
    メール
    • ここから、管理者向けのコントロールパネルに切り替わるのだが、画面展開がよく分からず、悩んでしまったが、必要なことは、「メールの配信設定」である 
    • メニュータグの「サービスの設定」を選ぶ 
  7. メールを有効にする方法 
    MXレコード
    • 登録は終わったかに見えるが、確かに表題に書いてあるとおり、メールが使えるようにするためには、まだやることがある 
    1. ユーザを作成
    2. メールの配信設定
    • ユーザ作成は後回しにして、「メールの配信設定」の「MXレコードを変更」を選ぶ
  8. メールの配信設定 
    MXレコード説明
    • ここは、解説記事と設定情報があるだけなので要注意! 
    • 実際の設定は、自分のドメインを管理しているDNSサーバ側で行う必要がある。 
       ----------------------------------
       MX サーバー アドレス 優先順位 
       ASPMX.L.GOOGLE.COM. 1 
       ALT1.ASPMX.L.GOOGLE.COM. 5 
       ALT2.ASPMX.L.GOOGLE.COM. 5 
       ASPMX2.GOOGLEMAIL.COM. 10 
       ASPMX3.GOOGLEMAIL.COM. 10 
       ASPMX4.GOOGLEMAIL.COM. 10 
       ASPMX5.GOOGLEMAIL.COM. 10 
       ----------------------------------
  9. MXレコードの登録 
    DNS登録
    • 独自ドメインを契約しているValue-domainの無料DNSサービスを利用しているので、ユーザページにログインして「DNS情報変更」を行う。 
    • メール関係はタイプ「MX」であり、Googleの指定どおり、項番1)、5)~8)に登録したが、1)だけでも問題ないのかもしれない、、
    • 大事なことは、その後 Googleアプリの設定ページに戻り、「変更した」と登録すること!
  10. ドメインの所有権を確認 
    所有者確認
    • Googleアプリの設定画面に戻ると、申請者が、確かにそのドメインの所有者であることを確認するための手順が書かれている 
    • この画面では、「CNAMEレコードを変更」する場合の手順である。DNS登録する際に、CNAME(Alias)登録しておくと、DNSに照会した際に、CNAME登録情報も表示されるため、これを元に所有者確認を行うものである。
    • もう一つ、「HTML ファイルをアップロード」する場合の手順は、以下のように記載されている
      1.googlehostedservice.html という名前の HTML 確認ファイルを作成し、下記のテキストをファイルにコピーして、 http://kurarinet.com/ にアップロードします。 
       google223496a010c62b3b 
      2.変更が完了したら、ファイルが http://kurarinet.com/googlehostedservice.html に表示されることを確認してください。 
    • すなわち、指定の確認キーを記載したコンテンツをトップページにアップできるのは、当然にも、ドメイン所有者しかいないから、それをもって本人確認とするわけだ。
  11. 確認用のページをサーバにアップ 
    確認ぺージ
    • 「HTML ファイルをアップロード」の方が簡単そうなので、これでやってみる 
    • アップ後、Googleアプリのページで、「アップロード済み」と登録する 
  12. 登録が有効になるまで待機
    確認済み
    • すると、「確認中、48時間かかることがある」というテロップが入る。あとは、ひたすら待つだけ。 
  13. アクティブになったらすること 
    アクティブに
    • 待つこと、12時間くらい。翌日朝に、管理者画面をチェックすると有効になっていた。 
  14. メールチェックサイト 
    ログイン
    • 管理者の場合は、ログイン後にコントロールパネルが表示されるが、右上の「受信トレー」を開けば、まさしくGmailそのものである。 
    • 送受信テストしたが、問題なくOKに! 
    • この段階で、自宅サーバのメール機能は?! と試してみる。 
    • webmailをチェックしたが、送信は問題なく動作する。予想通りというか、当たり前だが、着信はGoogleへ行く。 
  15. ユーザ追加 
    • あとは、適宜ユーザを作成。追加していけばよい。
       
  • その後、SNSを始める際に専用アカウントを作成して重宝している。招待メールやデイリーニュース等の送信で利用。 また、メーリングリストも簡単に作成できた。
  • いずれにせよ、メールサーバの管理のわずらわしさからは解放されたのだ(^^)、軟弱者め(^^;)

トップ   一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS   リンク元