MIDI のバックアップ(No.2)
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- MIDI へ行く。
- 1 (2009-10-03 (土) 14:48:16)
- 2 (2009-10-03 (土) 16:13:49)
MIDIの思い出 †
- 先日MIDIデータの再生環境を再構築したと日記に書いたら、nobさんが食いついてくれたので少し元気がでた。 MIDIをはじめたのは10数年以上も昔の話。時代は、PC9801でDTMS(Desk Top Music System)全盛の頃、あれだけ手間暇を費やした話を少しまとめておきたいなと思っていたのだ。
- 何から書き始めればよいのかと、あらためてネットで検索してみるが、あの頃の熱気はどこにもない。それもそのはず、「ゼロからはじめるMIDI入門講座」なる記事に行き当たり、眼からうろこが落ちた。
- DTMSというのは、そもそもディジタルミュージックの世界では傍流であって、今や「古典的MIDI」というカテゴリーに分類されているようだ。つまり、楽器が弾けないパソコン人間が自由に音楽を楽しむためのツールとしてDTMSは画期的なシステムだったと思うのだが、プロの音楽の作り手から見ると、そもそもが「ままごと」の域を出ていなかったようだ。
- しかも、、「古典的MIDI」は既にすでに終わったと宣言され、もはや化石的な存在らしい(^^;) であれば、こちらも大上段に振りかぶってみてもしょうがない。タイトルを『思い出』とした所以である。気張らずに、思い出のあれこれを書き散らすことにしよう。 (2009.10.3 記)
初めてのMIDI環境は †
- MIDIを始めたのはいつだったのだろうか? 1990年頃かな? まずは、ローランド社のエントリDTMパッケージ「ミュージくん」を買った。くらさんのショップで仕入れが可能と聞いて、楽器店より安く買えると小躍りしたものだ。パソコンは当然にもPC9801だ。
音源モジュール: MT-32 MIDIインタフェース: MPU-PC98(増設ボード) シーケンスソフト: ミュージくん
- 当時の写真はない。そもそも撮った記憶もないし、後述するが、くらさんに譲ったのだ。残っているのは同じインタフェースボードで「ミュージ郎」のかも。(例のごとく、これまた捨てきれずにいる ^^;)
- MT-32はLA音源だったが、それまでのFM音源と比べると桁違いにリアルな感じであった。ただ、ピアノやビブラホン等はそれなりに生楽器に近く感じたが、弦や管楽器系はやや苦しかった。まぁ、シンセサイザーみたいに固有の合成音と割り切ればよいのだが、
- 楽器音以外にも、たくさんのSE(Sound Effect:効果音)入っていた。正直なところ、おもちゃっぽい感じもしたが、ストリングス等のいかにも似てるけど嘘っぽい響きよりはまだしも独自のリアリティがあった。何に使うかと思ったが、これを駆使したデータが結構よくでてきてDTMSならではと思った。
- 音符を並べていく楽譜入力ソフトが新鮮な感じだった。楽譜さえあればそのまま入力できるので、再生して楽器が弾けたような気分になる。最初のうちは、我ながらご満悦であった。
- が、すぐ入力には飽きた。バンドスコアなんか入れた日にはホント疲れた。途中でパソコンがフリーズして、入力データが全部パーになったのも何度か。それより、自分で入れた曲は、楽譜どおり正しく入力してるのに、再生すると妙に味気ないのだ。どうにも聞き栄えがしない。この落差に気づいて愕然とした記憶がある。
- 完璧に楽譜どおり演奏できるのがMIDIの特徴ではあるが、音楽性はそれだけでは足りないのだ。実は、楽譜には表せない、テンポや強弱の微妙な揺らぎが必要なのだ。それを表現できるのは音楽的才能があってこそで、そもそも自分にはセンスがないと痛感する。
- それから一転、入力名人のMIDIデータ「収集」にひたすら奔走するようになる。
ネットのMIDI名人 †
- パソコン通信の華やかかりし時代とちょうど重なるわけで、パソコンを趣味に生かすジャンルとしてMIDIは脚光を浴びてネットでも大隆盛だった。 PC-VANやNiftyのSIGが主流だったが、私はマスターネットの「PC_Music」に居場所を定めた。
- パソ通仲間とのデータ交換で、毎月のようにFD数枚分の曲データの蓄積が続いたが、やはり、うまい下手は明快で先頭を少し聞いただけでも分かってしまう。ごく少数のMIDI名人以外は、悪いがドングリで自分とさほど違いがなかった。入力の努力と執念には恐れ入るものの。
- マスターネットで有名な入力者としては、[斉藤]氏と一星氏が双璧だった。[斉藤]氏は定番MIDIプレーヤーソフト「MIMPI」の改良者でもあるが、主なレパートリーはマーチや交響曲で、丁寧で柔らかなハーモニーが持ち味だった。歌詞とイメージを組み合わせた先駆的な作品も多く、その趣向に眼を見張ったものだ。
- 一方、一星氏は、ほんのワンフレーズを聞くだけでも、彼だとわかるようなセンスと音色選びに個性を発揮していた。MT-32はやや癖のある音源であったが、そこをよく手なずけるような配音技を駆使して独特の響きを表現して、コンテストの受賞も多かった。MT-32版「禿山の一夜」は今聞いてもMIDI独特のにぎやかな編曲となっているが、薫り高い音楽性は失われていないと思う。
- ネット以外にも、MIDI雑誌「DTMマガジン」があった。なんと、今でも毎月発行されてるようで、WEBサイトもある!)その「CMMスコア」に入力技を発揮していた人がいる。三上直子氏だ。付録FDにデータが収録されていた。
- 当時、芸大の学生だったが、これは、もう、珠玉の絶品ぞろいだった。いまでも引っ張り出して聞くと言えば、この人のデータばかりだ。いくら聞いても飽きない。格調高く、華やかで、ゆるぎない、こびない、すこぶるの音楽性を備えている。
- なかでも、ピアノ曲「カンパネラ」(リスト)と「交響曲第5番」(リスト編曲)は秀逸だった。データ集FDも販売されたそうだが、買い損ねた。残念無念。
- こういうのを聞いてしまうと、自分で入力する気は完全に失せるほどだ。時間の浪費だと割り切って正解だったと思ってしまう(^^;)
MIDI機器を買い足す †
- 「ミュージくん」の次に買ったのは、「アレンジくん」だった。(1991年6月) これもローランド社製品だが、その名のとおり伴奏用のハード(CA-30)であった。メロディーとコードを入力してリズム等を指定すれば、自動的に前奏や間奏、はてまたエンディングとフルバンドの演奏をつけてくれるものだった。 バンドスコアがなくても、簡単にバンド演奏が楽しめる仕掛け。
- とはいえ、いまどきならシーケンサソフトに標準装備のアレンジ機能であり、そもそもはソフト処理可能なものなのだ。ただ、当時のPC98の能力ではとても無理で、こうした専用ハードが存在したということだ。PC98と音源の間に接続して使うんだったかな?
- 自分の貧弱な音楽性を少しでもカバーできるかと思ったのだが、まぁ、あらためてわが身の無力さを再認識するにとどまって一巻の終わり。
- 「ミュージくん」の後継「ミュージ郎」を中古で仕入れたのは1991年12月のことだ。音源モジュールはCM-64で、PCM音源がベースになっており、MT-32と比べるとサウンドは一掃クリアになった。特に、ピアノはかなりキレがよくなって、とてもうれしくなった。ソフトも機能アップしていたが、入力はほとんどしなくなっていたし、再生にはフリーソフトを使ってたのであまり記憶にない。
- CM-64には別売の音源カードが発売されている、それも魅力だった。ピアノはそれなりに聞こえるのだが、弦楽器はどうしてもキーキーといつまでも嘘っぽい。それをカバーできると思って「オーケストラ・ストリングス」を1枚買った。結構それを使ったデータも流通していたが、やはりできばえはイマイチだった。
- ハード音源もどんどん進化するし上位機種はきりがないのだが、DTMS系ではGS音源が出た。その最初の「SC-55」に飛びついた(1992年のことか。)MT-32の音源配列も持っていたので、引き換えにMT-32はくらさんに下取りしてもらった。
- 実はMIDIデータと音源の関係なのだが、どの音源で聞いても同じ響きではないのだ。ハード毎に音色の割付(PROGRAM No)が違うだけでなく、そもそも持っている音色自体が、サンプリングや合成方法についてハードごとに差(癖)があり、その癖をうまくチューニングをして入力いるため、聞きなれたデータを別のハード音源で聞くと、すごい違和感になる。上手にアレンジしたデータほど互換性が低いということになる。
- MT-32もCM-64も当時のDTMSの定番ハードだったのだが、MTの名データがCM用に再アレンジされることはあまりなく、古いデータを気持ちよく聞くためには、それぞれ対応した音源が必須だった。
- だから、CM-64を仕入れた後も、MT-32は捨てられず持ち続けていた。SC-55では、どの音色もさらにクリア感は増したが、逆にキンキンした鋭さが気になった。まぁ、ピアノは格段にアップしたのは間違いないが、ストリングスは依然として気難しい。
- だから、軽めのポップなバンド編成の曲だと、本物かと思うくらいだが、クラシックオーケストラの曲はどうにも無理がある。CDを聞くほうがはるかによい。
- さらにWindowsPCの時代になると、ソフトウェア(バーチャル)音源が登場する。Win98/Mac両用の「VSC-88H」を買う! パソコンの性能も進んだおかげで、音がプツプツ切れることもなくMIDI再生が可能になるのだ。こうなると、DTMS界におけるハード音源の立場は急速に低下してゆくことになる。
- 最近のマイクロソフトのWindows-OSにはMIDI音源が内蔵されている。だからインストールした覚えがなくても、ホームページのBGMにMIDIが勝手に流れたりする。あるいはサウンドボードがついていれば、再生ソフトと一緒に供給される。
- ただ、音質はそれなりで、やはりほんとにいいものは買わなきゃいけないようだ。世界中の名器といわれるピアノの音をサンプリングしたデータ集は、ん万円もするようだ。
MIDI再生 †
- MIDIの市販ソフトはいろいろとあった。山のようにと言うべきかも。それぞれが独自フォーマットでほとんど互換性がなかった。しかも、インデックスデータとセットなので、データ管理自体が面倒だった。一曲聴くのに、専用アプリを起動するというのは何ともまどろっこしかった。
- 一方、たいていのDTMSユーザはデータリスナー化しており、再生用にはフリーソフトの「MIMPI」と「decop」が双璧だった。一応、MIMPIはsng系データ向け、Decopはrcp系向けと分けられるが、MIMPIはオールマイティで、これ一本あれば十分だった。ほとんどのフォーマットに対応しており、シンプルで高機能だった。最悪でも、必ず種々のMIDIコンバータが存在しており、それを通しておけばMIMPIで間に合った。さらに、MIDI音源を持ってなくても、FM音源やBEEP音ですら再生ができるというツワモノだった。
- 時代はまだPC98のMS-DOS環境だが、曲データの管理や再生環境をいかに効率よく組み立てるかを競い合っていたような。
- 基本は、やはり「FD」ベースだった。ファイル管理ツールFD万能の時代だったが、ファイル一覧を見ながら、ワンタッチで再生ソフトMIMIP等を起動する。さらにHDD容量節約で、MIDIファイルを圧縮しておいて、メモリー上で解凍展開してMIMPIに渡す中間ソフト「madp」を仕込むなど小技を駆使したものだ。
Windows機でMIDI再生 †
- WindowsマシンのMIDIインタフェースと言えば、サウンドボードのゲームだ。本来はジョイステック用のコネクタだが、MIDI変換コードが市販されており、音源接続ができる。
- 音源によっては、シリアルポート対応のインタフェースを持つものも登場していたが、ゲームポートと半々だった。その辺は、デスクトップとノートPCとで使い分けていたのかも。
- WindowsXP時代になるとノートPCからはシリアルポートもなくなって、USB一辺倒になる。そこで、USB-MIDI変換ケーブルの登場となる。
- 我が家では、デスクトップPCで再生環境を維持してたので、ゲームポートで何とかしてきたが、スペースの問題もあってノートPCを使うため、ようやくケーブルを購入したものだ。
- MIDIインタフェースはさまざまなのだが、最後はエミュレータでPC98環境を再現してるんだから、我ながら進歩がないなぁ(^^;)
- しかし、MIDI再生と言えばこの環境しか考えらない。Windows版のフリーのMIDIプレイヤーがイマイチということなのかもしれない。まぁ、昔ほどしゃかりきに聴く人は少ないのだろう。むしろ、MIDIをMP3に変換するツールの方は大賑わいで、なんかヘンな気がする。MIDIというのはデータだから、軽いのが身上なのに。。。
- 先日「スコアメーカー」で遊んでみたが、このソフト一つでDTMSなら何でもできてしまい驚き。楽譜読み込みがメイン機能なのだが、当たり前のようにソフト音源内蔵で再生はできるし、伴奏機能も付いていて、好きなアレンジができる。コード付きのメロディ譜さえあれば、スキャナで読み込んで後は好き放題と言うわけだ。こういう形で閉じてしまうのがDTMSの箱庭たる所以だろうが。
MacでMIDI †
- PC98からWinodwsがメインとなるまでの間には、Macintoshが主役の時代がある。MIDIデータはどのOSでも扱えるところがよい点で、当然MacでのMIDI再生環境についても書いておかなければ。
- Macの場合、MIDIインタフェースは最初からシリアルポートだった。シリアル-MIDIアダプタを介して音源を接続するだけ。PC98と比べるとシンプル。
- DTMSソフトでは「Ballade」が有名だったが、もう、入力はしなかったので使うことはなかった。
- MIDI再生用には「Mac郎」なる市販ソフトがあり、これはよくできていた。考えられるたいていのMIDIフォーマットに対応し、変換機能も備えていた。MIMPIのように、画像や歌詞データとのシンクロ再生もできた。MacではQuickTimeのソフト音源がOS装備されていたので、外部音源なくてもMac本体だけでそれらしく聴けたりもした。
- Yamahaから出ていた電子ピアノClavinovaシリーズ用のデータ曲集も結構流通していた。これをMacで再生するのが、「Yplay」だ。ClassicⅡを電子ピアノの上において、MIDIでつないで、よく練習曲などを再生したものだ。
聴くより弾きたい †
- MIDIを聴く環境はずーっと何らかの形で再構成していたが、弾きたいという思いは引きずっていた。
- MIDI系の楽器で最初に買った物と言えば、Casioのミニキーボードだったような。まだまだDTMSを始める前の頃で、買った年も製品名も忘れたが、1万円程度でピアニカみたいな形だった。音色はいくつか持っていたが、伴奏はなかった。子供の誕生祝にかこつけて、親が遊んでいたような。
- DTMSをはじめてからだが、Yamahaから「ウィンド・シンセ」というMIDIの管楽器が出た。それは本格的な物で値段も高く手が出なかった。またまたCasioの似て非なる「デジタルホーン DH-280」を買った。奇怪な形をしているが、リコーダーとほぼ同じ運指で、伴奏(カラオケ)用のROMカートリッジもあったりして、けっこう多彩に楽しめる。はずだったが、すぐに飽きてしまった(^^;)
- 初めて電子ピアノを買ったのは、1993年のことだ。会社人生も後半期を迎えて、おりしも会社主催のライフプラン研修会なるものに参加させられ、老後の生き方を叩き込まれて目が覚めた。老後の備えは今から、資金だけでなく健康と趣味に生きがいもというわけだ。
- で、なんとなく夢に見ていたピアノが頭に浮かんで、一念発起Rolandの「HP2800」を購入。で、楽譜を買い込んでせっせと練習に励む。
- 当時は、それなりに集中して時間がとれた。「大人のためのバイエル」をまじめに取り組んで、おおよそ弾けるようになった。併用曲集もつまみ食いでいくつかこなした。と、思った。我流でいい加減なものなのだが、まぁ、よいのだ。
- 一応両手が動くようになったところで、職場が変わったりしたこともあって、長い中断に入る。再開は10年以上も後になったが、まぁ基礎はできたつもりだから、一からやり直しといっても気分的には楽。あとは時間でカバーというつもりでやっている。
- つい、先日それが故障した。それを機に、本体をHP203に入れ替えたが、とにかくハードの進化には驚く。鍵盤のタッチや音色が、ますます本物っぽくなった。ピアノ以外の音色も300以上あって、昔のSC-55をしのぐ音源モジュールなみ。MIDIデータもUSBメモリから読み込んで再生と、お手軽なMIDI再生環境がまた一つできた形。
- そのほか、Yamahaからは「SILENT Cello」というMIDI楽器が出ており、これにも大いに食指が動いた。夢にまで見るほど本気で欲しかった。まぁ、今思えば、あちこち手を出さずによかったのかも(^^;)
- はてさて、この続きは、どこまで行くのでしょう(^^)